そとのはなし-003

003 「たんねの3・5・8月」
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今回の「そとのはなし」は「たんね(新潟県柏崎市谷根)」の季節を追っての景色をお届けします。

服装もインテリアも季節によって衣替え。「そと」も同じく装いを変えますが、もっと劇的。気温も湿度も、空も海も野山も、色合いもコントラストも、そこで育まれるものたちも。

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今年3月21日(土)のたんね。
山々にまだ雪がちらほら。靄のかかったような淡い遠景。

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今年5月8日(土)AI発表+出発式の日。
芽吹く新緑のやわらかそうなたくさんのみどり。空も土もやわらかな色。

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先日の8月7日(土)プレイベントの日。真夏のたんね。
強い日差しと濃度を増すみどりたち。すくすく背を伸ばしています。

昨年から訪れるたびに同じ場所で景色保管。
写真遠く見えるは今年の「棚田」です。秋の「たんねのあかり 2010」ではどんなシーンが生まれるでしょうか。

10月16日(土)「たんねのあかり 2010」にて、たんねの秋の装いをリアルにお確かめください!
みなさまのお越しをお待ちしてまーす☆

★「たんねのあかり 2010」blog →こちら

(2010.08.18 WED)
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# by ed3_street | 2010-08-18 23:00 | - そとのはなし。  

そとのはなし-002

002 「夜メイクどーする?」
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うーん、どーしましょ。
昼間とはちょっと違って見せたいしー、魅せたいしー。

昼間の表情と夜の表情、「そと」も同じく、どっちもいい感じに見せたいもの。街並みも風景も昼と夜では、その魅力を引き出す演出方法はそれぞれに多種多様。

今日はベルギーのブリュッセルの街並みを、昼と夜の顔を比べながらのご紹介。

d0000095_15301089.jpgこちらはブリュッセルの中心に位置する「グラン・プラス」。世界で最も美しい広場とも言われていて、ユネスコの世界遺産に登録されています。
市庁舎を中心にギルドハウスなどの建物群は実に繊細なディテールのファサードをもって広場を取り囲んでいます。その室内装飾のような細やかな外観がヒューマンスケールを感じさせるひとつの要因となっているのかもしれません。
大きすぎない程よいスケールのこの空間、実に居心地よし。(さすがに地べた座りはいませんが。)


d0000095_15305011.jpgあかりで照らされた美しい建物が立ち並ぶ夜の光景は、行き交う人々と長い年月を経て磨かれた石畳の反射する光と映りこむ影をともなって、一層煌びやかに浮かび上がります。





d0000095_15311191.jpgそして、こちらはグラン・プラスから続く道を少し歩いていった場所にある「ガルリ・サンチュベール」です。
1846-1847年に建造されたヨーロッパ最古のアーケードのひとつ。
ミラノのガレリアもその大きさと美しさから有名ですが、ここはかわいらしくこじんまり、相当控えめな世界一です。
歴史あるアーケードのショーウインドウはどこも気合入ったディスプレイで、空間を賑やかに演出しています。




d0000095_15313438.jpg天窓から柔らかく射し込む自然光に満たされる昼間の顔。
夜はショーウィンドウからこぼれ出す光と連なるランプのような街灯の光。そして、それらの光が舗装面にも色彩を与えています。昼の顔に比べて、夜の顔は少し大人びているような。。。


2つの事例をご紹介しましたが、面を構成するマテリアルも重要ですが、街並みや風景の夜メイク技No.1は、なんと言っても「あかり」ではないでしょうか。

その質も量もその場所らしさをていねいに読み解いた上で、与えられればいいですよね。

さて、棚田のお嬢さん。今年はどんなメイクを施しましょーか?

★「たんねのあかり 2010」blog →こちら
今年のあかりフィールドは「棚田」!

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[ 今日のおまけ ]

2年に1回のブリュッセル「フラワーカーペット」は今年8月開催です!グランプラス一面がカラフルなベコニアの花で埋め尽くされます。毎回カーペットの模様は違って、今年のテーマは「ヨーロッパ」だそうですよー。
(「Brussels’ Flower Carpet 2010」 →こちら。)
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(2010.07.07 WED)
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# by ed3_street | 2010-07-07 20:00 | - そとのはなし。  

そとのはなし-001

001 「なんかいいよね。」な、そと。
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家から一歩そとへ出て、歩いて、立ち止まって、座って、寝転んでみて。口半開きのままで。
そんなことしながら、思ったことや感じたことなど「そとのはなし」をお届けします。

「あかり」と「そこにあるもの」をテーマにしたアートイベント「たんねのあかり 2010」は、いくつかのイベントと共に構成されていきますが、メインはキャンドルの「あかり」で創り出される「そと」での気ままな夜のお散歩ミュージアム。

★「たんねのあかり 2010」blog →こちら

「そと」というキャンバスはとってもフレキシブル。私たちの感覚と使い方次第でスケールは大きくも小さくもなります。

今回は「なんかいいよね。」な、「そと」での1シーンをいくつかご紹介。

d0000095_13633.jpgこちらはロンドンの街中にある緑のパブリックスペース。
ひとり読書を楽しんだり、友人とおしゃべりしたり、ランチ食べたり。
平らな芝生だけの場所ですが、思い思いの使われ方。それほど広くはない一枚の芝生じゅうたんを程よい距離感で互いに共有しています。



d0000095_13232.jpg次のこちらは、パリのポンピドー・センター前広場とその横にあるブランクーシ美術館。
ゆるやかな勾配の広場と美術館壁面がベンチに早変わり。広場で催し物があるときは、舞台鑑賞、背もたれ付きの特等席に。




d0000095_133770.jpg最後はイタリアのシエナにあるカンポ広場。ポンピドー前広場のお手本となっています。
このゆるやか斜面が人により道になったり、座面になったり、お昼寝ベッドになったり。また、取り囲む建物によって、広場は扇状の舞台会場に見立てられます。毎年夏には、町中を駆け抜ける競馬の伝統のお祭りパリオの中央会場となります。

今後、いろいろな「そと」でのお話を「なんか気になったんだよね。」視点でお伝えいたします。

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[ 今日のおまけ ]

ポンピドー広場のブランクーシ美術館がリニューアルするそうです。で、コンペ勝ち案(→こちら。)はなんだかすごいです。やわらかい光のピアノのがとっても好きなんだけどなぁ。
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(2010.06.23 WED)
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# by ed3_street | 2010-06-30 20:00 | - そとのはなし。  

景色の小話-01

d0000095_12272363.jpg[ たんねのあかり ] 

その1 「あかりと夜と。」

当日の朝まで空模様を連日にらめっこで、どきどきで。
そんな中、なんとかお天気に恵まれてその日を迎えられた「たんねのあかり」。
さて、どんなイベントだったのでしょう?

★「たんねのあかり」とは?

新潟県柏崎市に「谷根(たんね)」という山と川とたくさんの自然に囲まれたちいさな地域があります。
谷根にはひとつ小学校があります。児童数8人の上米山小学校は135周年を迎えた2009年度をもって閉校になります。
今夏、小学校のみなさんと谷根地域のみなさんと一緒に、「あかり」と「そこにあるもの(自然環境・景色・地域・素材・伝統・らしさ。。。など)」をテーマにしたアートイベント「たんねのあかり」を行うことになりました。
ある夏の夜のある時間、キャンドルのあかりで小学校と地域と思い出をほんのり照らします。
あかりのアートやデザインによって、みんなで心地よい時間と場所を共有し、いままでとこれからをつなぐやわらかくやさしい景色と記憶をつくりませんか?

★「たんねのあかり」blog → こちら

d0000095_12382254.jpg簡単にいうと、小学校のちびっこと谷根地域の方々と女子美生と一緒に、「あかり」と「そこにあるもの」=「たんねにあるもの」をテーマにして、あかり遊びをしたというもの。キャンドルのあかりがとてもぴったりな暗さの環境がそこ「たんね」にはあって、それがイベント開催場所設定の決め手となりました。

同時に今年で長い歴史に幕を閉じることになった柏崎市立上米山小学校のちびっこたちへの、そして、たくさんのこれまでの卒業生たちの最後の思い出イベントのひとつと位置付けられています。90歳近くのおばあちゃんが新聞の取材へのコメントを残してくれましたが、おばあちゃんも卒業生!改めて小学校が谷根地域とともに過ごしたながーいながーい時間を感じたのでした。

「たんね」の星空はまさに降るような美しさ!流れ星もみえちゃうのです。ついでに、かじかかえるの美声の大合唱を聞きながらのほたる舞う景色も有名です。

そのようなかすかな光やあかりが映える環境とは、あかりの非常に少ない暗い里山であるということ。人家も少ないし、従って街灯もほとんどない。闇の明るさに慣れていない自分の目では懐中電灯がないと月明かりだけでは心もとないような感じの夜の景色。

暗さも明るさも相対的なもの。明るいだけじゃあ、ただ明るいだし、暗いだけじゃあ、真っ暗で何も見えないし。いい感じの暗さの中に、いい関係での明るさがそっと入り込むように溶け込むように、そこにあることで心地良いバランスをもった明るさと暗さ、あかりと影があわられます。

昼の道の景色、夜の道の景色。そのときでみえるものとみえないものが違います。
都会においても、里山においても、近所の街路においても、一連の時間経過の中での光と影を湛えた「空間の質」について、ほんのひととき思い巡らして見て下さい。影が生まれるところに空間があるなぁ、とか。。。景観デザインを考える何かのきっかけがほんのり見えてくるかもね。

(2009.08.31 MON)
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# by ed3_street | 2009-08-31 23:00 | - 景色の小話。  

街路の小話-13

d0000095_12331294.jpg13. 「せせらぐ遊歩道」

先日の真夏の太陽が暑い日のこと。JR南武線・武蔵新城駅から少し歩いたところからながーく続く「江川せせらぎ遊歩道」沿いを散策してきました。

どんなところかというと。。。

「江川せせらぎ遊歩道は、下水道整備により河川としての役割を終えた江川の跡地を利用して、新しい都市空間の創造をめざしたものです。計画段階から市民の皆様の意見を取り入れるパートナーシップ型事業として進められ、平成15年6月に完成しました。」(川崎市建設局HPより)

★川崎市建設局「江川せせらぎ遊歩道」ご案内 → こちら

住宅地の両側を歩車道に挟まれた中での川沿い遊歩道です。いくつかのゾーニングで、季節を楽しめたり、せせらぎの音を聞きながらの夕涼みができたり、ちびっこが遊べるようになってたりと程よいスケールの地域密着型のアクティビティを喚起させるきっかけづくりが施されています。

例えば、新しく遊歩道が完成したりしても、地域に愛されずに馴染めずに。。。というちょっぴり切ない環境となってしまうケースも少なくない中で、ここは川には鯉が泳いでいたり、地域の人たちや川沿いの幼稚園などがごみ拾いや清掃をこまめに行っているとのことで、とても清潔感のある快適な遊歩道空間が保たれていました。

建物も街並みも、ある風景も、そこを大切にする人の存在がないと、快適な空間にはなりえません。そのためにはなにが必要なのでしょうか。そこの地域性や風土や規模や生活する人や、都市なのか郊外なのか、オフィス街なのか住宅街なのか。。。などなど、検証すべき視点は数限りなくありそうです。

まずは、自分の好きな街路と改めて会話してみてください。どうして好きなのか。そして、これからその街路空間をいい関係を続けるにはどんなことをしていけばいいのか。どう思ってあげればいいのか。きっと、誰かを思うのと同じか近いところに何かありそーです。

すこし昔。某商業施設のキャッチコピーに「あっちが好きなら、こっちも好きだ。」というのがありました。なんだかちょっと気持ちせせらぐでしょ?

(2009.08.17 MON)
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# by ed3_street | 2009-08-17 23:00 | - 街路の小話。  

街路の小話-12

d0000095_1110647.jpg12. 「まっさらな紙に。」

夏休み、海の方に行ってきました。少し高台にあるベランダから真っ青な空と海をぼんやり眺めながら、ぼんやり物思い。どこまでも続くまっすぐな水平線と陸とは違うフラットな海の面。ヨットや船が行き来して、小さくて白い軌跡のその線を一直線だったりゆるやかなカーブだったり、青い画面に描いているような爽やかな光景が広がっていました。

そして、海岸の手前にはちっこい箱を並べたような建物群がひと所に集まっていて、その中を真っ直ぐな線路とちょこちょこ曲がる道路が交差。様々なそんな線上を色とりどりの点が動いていたり。

陸の上では海の上のように自由な線を描けなくて、山と山の谷間だったり、できるだけでこぼこないところを狙っていったり、でっぱりにトンネルあけて通してみたり、あえて平らにつくってから線を引くなど、諸々の諸条件が折り重なった部分にどう道を通していくか策を巡らすわけです。

街の中でも同様に、たくさんの個性豊かな線があります。例えば、広く長い真っ直ぐな大きい道があって、そこを中心にして派生する角度を持ったりもする中位の道、更に細かく曲がったりと拡散していくちいさな道。歩いていても、地図を見てみても、大きな道にはその空間の大きさに合った駅とか市庁舎などのパブリックな建物が配され、中位には中位、小さい道には住宅のように小さな建物と、それぞれの道のスケールにあったスケールをもつ建物で構成されていることが分かると思います。私たちの体を巡る血管に目を向ければ、イメージしやすいですよね。

さて、みなさんの手元にはまっさらな紙。そこにまず1本線を引いてみて下さい。紙の縦横にきれいに平行な直線とか、大きく緩やかにカーブする線とか、ちっこいちまちま細く続く線とか、くねくね線やかくかく線とか、絡まった糸のような線とか。。。色々ありますが、まずはどんな線を描いてみたいですか?ほんの少し、イメージ膨らませてみて下さい。

おまけ1:
海に歩いて渡れる道を切り開いちゃったモーゼのようなのもありかもね。こんな感じの。

こちら

おまけ2:
横にまっすぐな線が気になったら、こちらもステキな写真。

こちら

(2008.08.19 TUE)
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# by ed3_street | 2008-08-19 23:20 | - 街路の小話。  

街路の小話-11

d0000095_11183893.jpg11. 「誘われる涼感。」

今夏のおでかけは金沢とその周辺へと足を運び、数々の観光名所など巡ってきました。名所のひとつ、国の重要伝統的建造物保存地区に選定されている「ひがし茶屋街」では、今年の夏から石畳の舗装面中央部分に配列されている消雪装置からの散水による“打ち水”を行っています。

この“打ち水”、もともとは昔の美しい街並みを夜にも楽しんでもらおうと、行灯によるライトアップイベント用に企画されたとのこと。水にぬれた石畳に行灯からのやわらかい光や街並みが映り込んだり、反射したりといった効果を狙ったそうです。日中暖められた路面からの発熱を抑え、実際の周囲の温度も下げ、目にも涼しげな効果で一石二鳥。

打ち水についてちょこっと調べてみると。。。

【打ち水(うちみず)】
道や庭に水をまくこと。水撒(ま)き。また、その水。特に、夏の夕方などに涼をとるためにまく。
(大辞林 第二版)

【打ち水とは】
打ち水とは道路や庭に水をまいて、土ぼこりを防いだり、夏の間は涼を得たりする日本人の知恵のひとつ。古代においては打ち水は、神様が通る道を清めるという意味もあったが、江戸時代になるとむしろ、夏の涼を取る実用的な意味が大きくなった。近年はヒートアイランド現象の緩和に活用しようと提唱する人もいる。(環境goo)

環境goo詳細解説→こちら

地下水利用の消雪装置もありますが、金沢市では地下水汲み上げによる地盤への影響を考慮して河川からの水を温めて利用しているそうです。

詳しくは→こちら

日本各地でもここ数年、都市部で一斉に“打ち水”作戦が行われています。参加された方もいるのではないでしょうか?
自分が小さいとき、夏には朝と夕方に庭の草木にホースで水をあげ、それと一緒に玄関のたたきと家の前の道を水で落書きしながら水撒きしたことを思い出します。マンションに住む今はそんな夏の行事のこと、風鈴とか蚊取り線香とかとともにすっかり忘れてましたけど。

以前はあたり前だった暑い盛りに自分にも誰かにも涼感を得て与えるための工夫、多くのところで見直され復活しつつあるのをよく目にします。風土に根付くはっとするような知恵と工夫は、現在バージョンに進化させつつ上手く活用できれば素敵ですよね。

空気を比較的ひんやりとさせやすい室内に対して、街路という空間はどこまでも続いて縦にも横にも広がるおおきなもの。そんなお部屋よりもっともっと大きな空間は簡単にエアコンで温度調節しちゃお、などとはいかないもの。やはりそこは自然の力をお借りして、知恵を絞ってできる限り涼感得られる策を実践していきたいものですね。

d0000095_11244352.jpg五感で涼感を。→こちら
涼しさの工夫。→こちら

あと、金沢21世紀美術館での「明後日朝顔プロジェクト21」による朝顔すだれの繊細なレースのような影と爽やかな花の色はとっても涼しげでした。

さてと、まずはお庭に水撒きしよーかな。

(2007.08.27 MON)
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# by ed3_street | 2007-08-29 23:00 | - 街路の小話。  

街路の小話-10

d0000095_12385962.jpg10. 「ぎゅっとしたいのに。」

先日、雲ひとつない思いっきり晴れた日に汗だくでまち歩きしていました。新しいそのエリアは休日だということもあって、人がたくさん。でも、炎天下の中、外のベンチでのんびりなんてできることなくて(日焼けしたい気合の人は別。。。)、ほとんどの人は建物内の快適なロビーのベンチで一休みしたり、会話を楽しんだりしているようでした。

敷地内を散策中、建物から道路上空を渡る新しくできたブリッジを歩き始めたときのこと。鮮やかな黄緑色の芝生とその奥に佇む建物を眺めつつ、フェンスの上端に手を掛けて握った瞬間、「ジリ。」という音に限りなく近い強い刺激。そーです。火傷です。ブリッジの向こう岸に水飲み場があったので、急いで冷やして応急手当て。

その高さ約110~120cmのステンレス製のフェンスには、別に高さ75~85cm程度の手すりはついていました。握る部分の素材は木か樹脂系擬木だった気がします。しかし、そこから景色を眺めたりするとなるとフェンスの上端に手を掛ける場合もあるわけです。炎天下の中のステンレス、どれ程の熱を持つかちょっと想像してみてください。きっと目玉焼きできる感じ。

d0000095_12393388.jpgどこにおいても、なににおいても必要なこと。設計やデザインするものがどのように使われるのか、常に現実的なストーリーを想像してその先の展開を読めること。場所、時間、季節、年齢層、目的に沿った使われ方、予測していなかった使われ方などなど、そのものが使われる様々なシチュエーションを頭の中で繰り広げてみること大切です。

まちを歩いていて「そんなぁ。。。」というものに遭遇することは多いはず。そんな場合、自分だったらどんな設計、デザインをするのだろうかとちらりとでも常に考えてみる癖がつけられたらいいですよね。

さて、今回の名づけて“ジリ橋”。火傷事件発生によりクレームあり。既存フェンスは活かして補修依頼がきました。そのフェンス本体及び上端と手すり、みなさんならどのように足し算引き算をして、そしてどんな素材を用いての提案をしますか?

(2007.08.08 WED)
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# by ed3_street | 2007-08-26 22:48 | - 街路の小話。  

街路の小話-09

d0000095_1253105.jpg09. 「人と車と。」

みなさんの移動手段は何が多いですか?
近所でちょこっと用事を済ますとき、おでかけするとき、旅にでるとき、学校へ行くとき、それぞれの目的によって距離も時間も違います。自分の足でひたすら歩いたり走ったり、自転車に乗る、車に乗る、バスに乗る、電車に乗る、飛行機に乗る、船に乗る。。。などなどたくさん。

街路ではどんな移動手段・交通手段を目にしますか?徒歩、自転車、バイク、自動車、バス、トラム(路面電車のことです。)など。歩道と車道で分けてみると、歩道では歩行者と自転車、車道ではバイクや乗用車やバスやトラムというように分かれつつ、それぞれのスピードで空間を移動しています。しかし、そこはひとつのでっかい空間。スピードも大きさも強さも体もスケールも多くの違いをもつもの同士が一緒の空間を共有する、そして違うものが一緒にいられること、それにはそれなりの仲良くする方法が必要になってきます。

人と車の共存方法を探り、今日へとつながる最初のきっかけとなったのが、道路建築の技術者であり、建築家でもあったコリン・ブキャナン氏とそのチームによって1963年に英国にて発表された「ブキャナン・レポート」と呼ばれるものです。
レポートによると、車と歩行者を分離する“環境エリア(environmental areas)”や “都市の部屋(urban rooms)”といった特別な区域を設定し、空間の質を環境的に向上させ、デザインするという提案がされています。
また、『市街地は細胞から構成されており、街路は血液の循環する系とされています。そして、“4段階に区分された分散路の体系(幹線分散路・地区分散路・局地分散路・居住環境地区)”が発表されました。これは、幹線分散路や地区分散路によって居住環境地域の境界をはっきりと成立させ、「都市の部屋」としてまとめるために、歩行空間の導入と整備を提案したものです。(「建築・土木のことがわかる辞典 ACEネットワーク」より抜粋)」』と述べられています。
市街地を都市の細胞、街路を都市の血管・血液と見立てての考え方はイメージしやすいですし、興味深い考え方ですよね。建築も人の体に置き換えて考えられますし、街路も同じと言えるでしょう。

このブキャナン氏のコンセプトを受け、1960年代後半にオランダで歩行者と自動車が一つの道を共有するという歩車共存の考え方が生まれました。
「ボンエルフ」は歩行者や自転車が優先の考え方で、道の形状や幅員などで車はスピードや通過車両を抑制されます。歩道と車道は単断面の道路にあって、植樹やベンチや小さな庭を設け、道の空間全体に庭のような印象を持たせます。「ボンエルフ」とは「生活の庭」という意味です。
(参考:まちづくり関連用語集 No.71 ボンエルフ→こちら。

d0000095_1253238.jpgその後、各国でこの歩車共存道路の考え方は広まり、日本では歩行者を優先させて安全性・利便性を確保、住宅街・商店街につくられる「コミュニティ道路」が作られていくようになります。
(参考:コミュニティ道路とは→こちら。)

さて、現在の日本ではどのように人と車などとのお付き合いの仕方を考えているでしょう?興味ありますよね。ちょっと調べてみた所、国土交通省・道路局では『これからは「自動車で移動するみち」から「歩いて楽しめるみち」への転換が必要です。』と歩行者と自転車の利用を中心とした「くらしのみちゾーンの形成」に取り組んでいます。

ご興味持った方は詳しくはHPをチェックしてみて下さい。

*国土交通省・道路局→こちら
*歩行者・自転車のための道路行政(くらしのみちゾーンの形成)→こちら
*道づくりまちづくり→こちら

歩行者側からみれば、ある時は便利でも、ある時は怖い存在だったり、お邪魔な存在だったりしちゃう車も人同様、街路を彩ったり、街路の個性を作り出す一要素でもあるわけです。程よく仲良くやっていける提案とそれを実行することができれば、きっとその街路空間はもっと豊かなものとなるはずです。

さて、移動・交通手段によってかかる時間も違えば、目にする景色、聞こえる音、感じることが異なるのは当然。いつも歩き慣れた道でも、車で通り慣れた道でも、普段と違う手段、(例えばめちゃくちゃ近いのに車とか、急いでないのに激走するとか?)でその空間を移動してみるなんて実験をするのも、街路を楽しむ一つの方法で新しい発見があるかもしれませんね。

(2006.09.10 SUN)
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# by ed3_street | 2007-08-26 22:42 | - 街路の小話。  

街路の小話-08

d0000095_18423161.jpg 08. 「空間のかたち」


普段、道をてくてく歩いたりさーっと自転車で走ったりするとき、そこにある空間を意識したことがありますか?
空間だけを切り取ってあえて考えるのは、きっと課題や研究とかでなければ特別意識せず、通り過ぎちゃうものなのかもしれません。通り過ぎてはしまいがちだけど、なんとなーく「あ、ここ好きかも。」とか「なんか気持ちいいね。」とか「のんびり歩くこの道心地良いよね。」とかは感じたり思ったりしているはず。
で、そーゆー経験と記憶があると、ついその道を選んで歩いていたり。


その理由は何?理由はどこにあるのでしょ?
街路を構成している要素は沢山あって、例えば美しい街路樹が季節を感じさせてくれるからとか、真っすぐに続く広い幅の道で見晴らしがよいからとか、舗装面やサインなど見ていて楽しいとか、実に様々なものが組み合わさったりもして、心地良さを創り出している訳です。
と、同時に視界に入ってくるそれらの要素以外にも、街路の空間、その空間のかたちそのものがそう感じさせていることも事実でしょう。


d0000095_18424472.jpg大きく分けて街路には幹線道路のような広幅員の大通りと路地やわき道などの狭幅員の裏通りがあります。
大通りは基本的に車道と歩道とで構成され、車道と歩道の間には植栽帯がおかれて視界や速度の境界となっています。そして、大通りの空間のかたちは連続性を重視した直線によるものが殆どで、先までの見通しも大切ですし、車のスケールにあった形状となっています。
それに対して裏通りは曲線や折線も多く見られる変化に富んだリズム感も感じさせる特徴的な空間形状のものが多く、大通りと比較して歩行者主体であると言えるでしょう。


直線・曲線・折線などの平面形をもつ街路は、周りを取り囲む建物の高さがあって空間が成り立ちます。道幅に対して建物の高さがとっても高いと圧迫感を感じて落ち着かないなんて経験はありませんか?また、狭い道幅でも昔ながらの住宅が建ち並ぶような地域では高い建物はなくて、幅と高さの適度なバランスを保った道であると快適に歩けるとかね。
大通りには大通りの幅員にあった建物や植栽の高さ、裏通りには裏通りにあった大通りよりは低めの建物などの高さといったように、それぞれに適した道幅と高さの関係があってこそ、空間の快適性・心地良さを感じられるのです。
言い換えれば、幅と高さとそれに伴ってのものともの、人と人などのそれぞれにぴったりのスケールがあるという訳です。


d0000095_18425591.jpgみなさんが読んでいる芦原義信氏著の「街並みの美学」と「続・街並みの美学」でも街路の幅員と建物の高さの関係が考察されています。本の中ではここら辺が快適の基準だよね、ということが書かれていますが、実際に行ってその空間を体験できる街路であれば、自分で確認してみて下さいね。
体験・体感そして考察はとっても重要。


自分が好きだとか快適だとか心地良いとか感じられる道があるって素敵なことだと思います。どうしてそう感じるのか、どうして気に入っているのか、場合によってはどうしてあまり好きではないのか。。。などなど、それら自分の「なぜ?」「どうして?」という理由や原因を考えてまとめておくことが大切だと思います。
きっとより良い空間を提案してゆくのに役立ってくれるはずです。

今日のHP紹介は。。。
*「青山通りと街並みの景観を考える会」→こちら
(青山通りを愛する各分野の専門家が集まり定期的に話し合いや提案を行っています。街路空間について分かりやすく読みやすい内容となっています。オススメです。)

(2005.09.11 SUN)

*写真上:ケンブリッジの大通りからちょいと曲がったところの路地。スクールを行き来するための自転車がたくさん。道行く人はみんな研究者風に見えたり。(UK)
*写真中:ロンドンのアーティストが多く住むエリアにあるミューズ(mews)。ミューズってのはもともと続き建ち馬小屋だった道。馬小屋をリフォームしてショップや住宅兼工房に。この小さめのスケールが心地よい。(UK)
*写真下:ブリュッセル中心部からちょこっと外れた場所にあるトラムと車と人も共存するストリート。トラムのレールと架線が道の個性を演出。(Belgium)

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# by ed3_street | 2005-09-11 18:47 | - 街路の小話。