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街路の小話-11

街路の小話-11_d0000095_11183893.jpg11. 「誘われる涼感。」

今夏のおでかけは金沢とその周辺へと足を運び、数々の観光名所など巡ってきました。名所のひとつ、国の重要伝統的建造物保存地区に選定されている「ひがし茶屋街」では、今年の夏から石畳の舗装面中央部分に配列されている消雪装置からの散水による“打ち水”を行っています。

この“打ち水”、もともとは昔の美しい街並みを夜にも楽しんでもらおうと、行灯によるライトアップイベント用に企画されたとのこと。水にぬれた石畳に行灯からのやわらかい光や街並みが映り込んだり、反射したりといった効果を狙ったそうです。日中暖められた路面からの発熱を抑え、実際の周囲の温度も下げ、目にも涼しげな効果で一石二鳥。

打ち水についてちょこっと調べてみると。。。

【打ち水(うちみず)】
道や庭に水をまくこと。水撒(ま)き。また、その水。特に、夏の夕方などに涼をとるためにまく。
(大辞林 第二版)

【打ち水とは】
打ち水とは道路や庭に水をまいて、土ぼこりを防いだり、夏の間は涼を得たりする日本人の知恵のひとつ。古代においては打ち水は、神様が通る道を清めるという意味もあったが、江戸時代になるとむしろ、夏の涼を取る実用的な意味が大きくなった。近年はヒートアイランド現象の緩和に活用しようと提唱する人もいる。(環境goo)

環境goo詳細解説→こちら

地下水利用の消雪装置もありますが、金沢市では地下水汲み上げによる地盤への影響を考慮して河川からの水を温めて利用しているそうです。

詳しくは→こちら

日本各地でもここ数年、都市部で一斉に“打ち水”作戦が行われています。参加された方もいるのではないでしょうか?
自分が小さいとき、夏には朝と夕方に庭の草木にホースで水をあげ、それと一緒に玄関のたたきと家の前の道を水で落書きしながら水撒きしたことを思い出します。マンションに住む今はそんな夏の行事のこと、風鈴とか蚊取り線香とかとともにすっかり忘れてましたけど。

以前はあたり前だった暑い盛りに自分にも誰かにも涼感を得て与えるための工夫、多くのところで見直され復活しつつあるのをよく目にします。風土に根付くはっとするような知恵と工夫は、現在バージョンに進化させつつ上手く活用できれば素敵ですよね。

空気を比較的ひんやりとさせやすい室内に対して、街路という空間はどこまでも続いて縦にも横にも広がるおおきなもの。そんなお部屋よりもっともっと大きな空間は簡単にエアコンで温度調節しちゃお、などとはいかないもの。やはりそこは自然の力をお借りして、知恵を絞ってできる限り涼感得られる策を実践していきたいものですね。

街路の小話-11_d0000095_11244352.jpg五感で涼感を。→こちら
涼しさの工夫。→こちら

あと、金沢21世紀美術館での「明後日朝顔プロジェクト21」による朝顔すだれの繊細なレースのような影と爽やかな花の色はとっても涼しげでした。

さてと、まずはお庭に水撒きしよーかな。

(2007.08.27 MON)

by ed3_street | 2007-08-29 23:00 | - 街路の小話。  

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