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そとのはなし-003

003 「たんねの3・5・8月」
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今回の「そとのはなし」は「たんね(新潟県柏崎市谷根)」の季節を追っての景色をお届けします。

服装もインテリアも季節によって衣替え。「そと」も同じく装いを変えますが、もっと劇的。気温も湿度も、空も海も野山も、色合いもコントラストも、そこで育まれるものたちも。

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今年3月21日(土)のたんね。
山々にまだ雪がちらほら。靄のかかったような淡い遠景。

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今年5月8日(土)AI発表+出発式の日。
芽吹く新緑のやわらかそうなたくさんのみどり。空も土もやわらかな色。

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先日の8月7日(土)プレイベントの日。真夏のたんね。
強い日差しと濃度を増すみどりたち。すくすく背を伸ばしています。

昨年から訪れるたびに同じ場所で景色保管。
写真遠く見えるは今年の「棚田」です。秋の「たんねのあかり 2010」ではどんなシーンが生まれるでしょうか。

10月16日(土)「たんねのあかり 2010」にて、たんねの秋の装いをリアルにお確かめください!
みなさまのお越しをお待ちしてまーす☆

★「たんねのあかり 2010」blog →こちら

(2010.08.18 WED)

# by ed3_street | 2010-08-18 23:00 | - そとのはなし。  

そとのはなし-002

002 「夜メイクどーする?」
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うーん、どーしましょ。
昼間とはちょっと違って見せたいしー、魅せたいしー。

昼間の表情と夜の表情、「そと」も同じく、どっちもいい感じに見せたいもの。街並みも風景も昼と夜では、その魅力を引き出す演出方法はそれぞれに多種多様。

今日はベルギーのブリュッセルの街並みを、昼と夜の顔を比べながらのご紹介。

そとのはなし-002_d0000095_15301089.jpgこちらはブリュッセルの中心に位置する「グラン・プラス」。世界で最も美しい広場とも言われていて、ユネスコの世界遺産に登録されています。
市庁舎を中心にギルドハウスなどの建物群は実に繊細なディテールのファサードをもって広場を取り囲んでいます。その室内装飾のような細やかな外観がヒューマンスケールを感じさせるひとつの要因となっているのかもしれません。
大きすぎない程よいスケールのこの空間、実に居心地よし。(さすがに地べた座りはいませんが。)


そとのはなし-002_d0000095_15305011.jpgあかりで照らされた美しい建物が立ち並ぶ夜の光景は、行き交う人々と長い年月を経て磨かれた石畳の反射する光と映りこむ影をともなって、一層煌びやかに浮かび上がります。





そとのはなし-002_d0000095_15311191.jpgそして、こちらはグラン・プラスから続く道を少し歩いていった場所にある「ガルリ・サンチュベール」です。
1846-1847年に建造されたヨーロッパ最古のアーケードのひとつ。
ミラノのガレリアもその大きさと美しさから有名ですが、ここはかわいらしくこじんまり、相当控えめな世界一です。
歴史あるアーケードのショーウインドウはどこも気合入ったディスプレイで、空間を賑やかに演出しています。




そとのはなし-002_d0000095_15313438.jpg天窓から柔らかく射し込む自然光に満たされる昼間の顔。
夜はショーウィンドウからこぼれ出す光と連なるランプのような街灯の光。そして、それらの光が舗装面にも色彩を与えています。昼の顔に比べて、夜の顔は少し大人びているような。。。


2つの事例をご紹介しましたが、面を構成するマテリアルも重要ですが、街並みや風景の夜メイク技No.1は、なんと言っても「あかり」ではないでしょうか。

その質も量もその場所らしさをていねいに読み解いた上で、与えられればいいですよね。

さて、棚田のお嬢さん。今年はどんなメイクを施しましょーか?

★「たんねのあかり 2010」blog →こちら
今年のあかりフィールドは「棚田」!

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[ 今日のおまけ ]

2年に1回のブリュッセル「フラワーカーペット」は今年8月開催です!グランプラス一面がカラフルなベコニアの花で埋め尽くされます。毎回カーペットの模様は違って、今年のテーマは「ヨーロッパ」だそうですよー。
(「Brussels’ Flower Carpet 2010」 →こちら。)
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(2010.07.07 WED)

# by ed3_street | 2010-07-07 20:00 | - そとのはなし。  

そとのはなし-001

001 「なんかいいよね。」な、そと。
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家から一歩そとへ出て、歩いて、立ち止まって、座って、寝転んでみて。口半開きのままで。
そんなことしながら、思ったことや感じたことなど「そとのはなし」をお届けします。

「あかり」と「そこにあるもの」をテーマにしたアートイベント「たんねのあかり 2010」は、いくつかのイベントと共に構成されていきますが、メインはキャンドルの「あかり」で創り出される「そと」での気ままな夜のお散歩ミュージアム。

★「たんねのあかり 2010」blog →こちら

「そと」というキャンバスはとってもフレキシブル。私たちの感覚と使い方次第でスケールは大きくも小さくもなります。

今回は「なんかいいよね。」な、「そと」での1シーンをいくつかご紹介。

そとのはなし-001_d0000095_13633.jpgこちらはロンドンの街中にある緑のパブリックスペース。
ひとり読書を楽しんだり、友人とおしゃべりしたり、ランチ食べたり。
平らな芝生だけの場所ですが、思い思いの使われ方。それほど広くはない一枚の芝生じゅうたんを程よい距離感で互いに共有しています。



そとのはなし-001_d0000095_13232.jpg次のこちらは、パリのポンピドー・センター前広場とその横にあるブランクーシ美術館。
ゆるやかな勾配の広場と美術館壁面がベンチに早変わり。広場で催し物があるときは、舞台鑑賞、背もたれ付きの特等席に。




そとのはなし-001_d0000095_133770.jpg最後はイタリアのシエナにあるカンポ広場。ポンピドー前広場のお手本となっています。
このゆるやか斜面が人により道になったり、座面になったり、お昼寝ベッドになったり。また、取り囲む建物によって、広場は扇状の舞台会場に見立てられます。毎年夏には、町中を駆け抜ける競馬の伝統のお祭りパリオの中央会場となります。

今後、いろいろな「そと」でのお話を「なんか気になったんだよね。」視点でお伝えいたします。

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[ 今日のおまけ ]

ポンピドー広場のブランクーシ美術館がリニューアルするそうです。で、コンペ勝ち案(→こちら。)はなんだかすごいです。やわらかい光のピアノのがとっても好きなんだけどなぁ。
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(2010.06.23 WED)

# by ed3_street | 2010-06-30 20:00 | - そとのはなし。  

景色の小話-01

景色の小話-01_d0000095_12272363.jpg[ たんねのあかり ] 

その1 「あかりと夜と。」

当日の朝まで空模様を連日にらめっこで、どきどきで。
そんな中、なんとかお天気に恵まれてその日を迎えられた「たんねのあかり」。
さて、どんなイベントだったのでしょう?

★「たんねのあかり」とは?

新潟県柏崎市に「谷根(たんね)」という山と川とたくさんの自然に囲まれたちいさな地域があります。
谷根にはひとつ小学校があります。児童数8人の上米山小学校は135周年を迎えた2009年度をもって閉校になります。
今夏、小学校のみなさんと谷根地域のみなさんと一緒に、「あかり」と「そこにあるもの(自然環境・景色・地域・素材・伝統・らしさ。。。など)」をテーマにしたアートイベント「たんねのあかり」を行うことになりました。
ある夏の夜のある時間、キャンドルのあかりで小学校と地域と思い出をほんのり照らします。
あかりのアートやデザインによって、みんなで心地よい時間と場所を共有し、いままでとこれからをつなぐやわらかくやさしい景色と記憶をつくりませんか?

★「たんねのあかり」blog → こちら

景色の小話-01_d0000095_12382254.jpg簡単にいうと、小学校のちびっこと谷根地域の方々と女子美生と一緒に、「あかり」と「そこにあるもの」=「たんねにあるもの」をテーマにして、あかり遊びをしたというもの。キャンドルのあかりがとてもぴったりな暗さの環境がそこ「たんね」にはあって、それがイベント開催場所設定の決め手となりました。

同時に今年で長い歴史に幕を閉じることになった柏崎市立上米山小学校のちびっこたちへの、そして、たくさんのこれまでの卒業生たちの最後の思い出イベントのひとつと位置付けられています。90歳近くのおばあちゃんが新聞の取材へのコメントを残してくれましたが、おばあちゃんも卒業生!改めて小学校が谷根地域とともに過ごしたながーいながーい時間を感じたのでした。

「たんね」の星空はまさに降るような美しさ!流れ星もみえちゃうのです。ついでに、かじかかえるの美声の大合唱を聞きながらのほたる舞う景色も有名です。

そのようなかすかな光やあかりが映える環境とは、あかりの非常に少ない暗い里山であるということ。人家も少ないし、従って街灯もほとんどない。闇の明るさに慣れていない自分の目では懐中電灯がないと月明かりだけでは心もとないような感じの夜の景色。

暗さも明るさも相対的なもの。明るいだけじゃあ、ただ明るいだし、暗いだけじゃあ、真っ暗で何も見えないし。いい感じの暗さの中に、いい関係での明るさがそっと入り込むように溶け込むように、そこにあることで心地良いバランスをもった明るさと暗さ、あかりと影があわられます。

昼の道の景色、夜の道の景色。そのときでみえるものとみえないものが違います。
都会においても、里山においても、近所の街路においても、一連の時間経過の中での光と影を湛えた「空間の質」について、ほんのひととき思い巡らして見て下さい。影が生まれるところに空間があるなぁ、とか。。。景観デザインを考える何かのきっかけがほんのり見えてくるかもね。

(2009.08.31 MON)

# by ed3_street | 2009-08-31 23:00 | - 景色の小話。  

街路の小話-13

街路の小話-13_d0000095_12331294.jpg13. 「せせらぐ遊歩道」

先日の真夏の太陽が暑い日のこと。JR南武線・武蔵新城駅から少し歩いたところからながーく続く「江川せせらぎ遊歩道」沿いを散策してきました。

どんなところかというと。。。

「江川せせらぎ遊歩道は、下水道整備により河川としての役割を終えた江川の跡地を利用して、新しい都市空間の創造をめざしたものです。計画段階から市民の皆様の意見を取り入れるパートナーシップ型事業として進められ、平成15年6月に完成しました。」(川崎市建設局HPより)

★川崎市建設局「江川せせらぎ遊歩道」ご案内 → こちら

住宅地の両側を歩車道に挟まれた中での川沿い遊歩道です。いくつかのゾーニングで、季節を楽しめたり、せせらぎの音を聞きながらの夕涼みができたり、ちびっこが遊べるようになってたりと程よいスケールの地域密着型のアクティビティを喚起させるきっかけづくりが施されています。

例えば、新しく遊歩道が完成したりしても、地域に愛されずに馴染めずに。。。というちょっぴり切ない環境となってしまうケースも少なくない中で、ここは川には鯉が泳いでいたり、地域の人たちや川沿いの幼稚園などがごみ拾いや清掃をこまめに行っているとのことで、とても清潔感のある快適な遊歩道空間が保たれていました。

建物も街並みも、ある風景も、そこを大切にする人の存在がないと、快適な空間にはなりえません。そのためにはなにが必要なのでしょうか。そこの地域性や風土や規模や生活する人や、都市なのか郊外なのか、オフィス街なのか住宅街なのか。。。などなど、検証すべき視点は数限りなくありそうです。

まずは、自分の好きな街路と改めて会話してみてください。どうして好きなのか。そして、これからその街路空間をいい関係を続けるにはどんなことをしていけばいいのか。どう思ってあげればいいのか。きっと、誰かを思うのと同じか近いところに何かありそーです。

すこし昔。某商業施設のキャッチコピーに「あっちが好きなら、こっちも好きだ。」というのがありました。なんだかちょっと気持ちせせらぐでしょ?

(2009.08.17 MON)

# by ed3_street | 2009-08-17 23:00 | - 街路の小話。